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欧米金融機関がその更新を相次ぎ断りだした。
多くの日本企業は、ロンドン市場で資金調達すらできなくなった。
このため企業は日本のメーンバンクに駆け込み始める。
企業は海外では邦銀を捨てて欧米銀にすりよったにもかかわらず、邦銀は企業からの借り入れ要請を受け入れる。
これによって邦銀の日系海外企業向け貸し出しが膨らみ、邦銀はその分、国内貸出を抑制せざるを得なくなった。
海外展開する有力企業を優先した結果、国内で中小企業向けに貸し渋りが起こり、それが日本経済の悪化を招いている。
世界経済の成長エンジンの停止は、日本経済にもボディーブローのように効いた。
金融危機への対応策として、欧米各国は主要金融機関に公的資金を投入した。
金融機関の信用が揺らぎ、信用を補完する必要が生じたからだ。
それに伴って金融は保護主義的な色彩を強め、世界経済の発達を支えたグローバリゼーションに金融面からブレーキがかかり始めた。
バブルで膨れ上がった銀行の救済費用は、各国で財政を圧迫した。
銀行の資産が経済規模をはるかに上回るアイスランドなどは、財政破綻の危機に直面する。
サブプライムローン危機は、1980年代の中南米の債務危機に似た様相も呈している。
市場主義者の銀行国有化R・ショックで、多くの金融機関が資金繰り破綻の危機にさらされ、信用補完の道を探った。
震源地の米投資銀行では、Gの例のような銀行持株会社転換でも不安は収まらなかった。
M・SはMUF・グループに出資を要請し、Mは9000億円の出資を決めた。
米国は2008年○月に、金融安定化法を使って大手金融機関に公的資金を投入した。
投入対象はG、M・S、M、JPM・C、C、P・O・Aなど、米金融市場を主導してきた大手金融機関だった。
市場主義を掲げてきた米国の金融の本山に、政府介入せざるを得ない事態に追い込まれた。
R財務長官やGFRB議長が主導してきた市場主義の挫折が、印象付けられた。
欧州はより深刻だった。
民間の出資が期待できない金融機関は政府支援を仰ぐしか生き延びる道はなかった。
9月にドイツ政府が基金を作って、H・R・E銀行を救済しようとした。
ベルギー、オランダなどは、ベルギーの大手銀行Fに公的資金を投入して実質国有化した。
アイルランドは、大手銀行の預金の全額保護を打ち出した。
危機の広がりに対してユーロ圏首脳会議は、公的資金の投入と、銀行債務の保証を進めることで合意した。
それを受ける形で公的資金の投入は、オランダ、英国、スウェーデンなどに広がった。
国が出資したのは、英国では(RBS)、TSB、フランスではBNP、S・J、C・A、ドイツではC、イタリアではU・C、スイスではUBS、オランダではINGなどである。
日本とカナダを除く主要国の大半の主要銀行に、公的資金が投入される異様な事態となる。
公的資金は、優先株によるマイナー出資から、徐々に国の関与の強いものに切り替えられていった。
準国有化といえる措置である。
金融機関の信用は、資本注入だけでは完全には回復しなかった。
そのため各国は、米国の連邦預金保険公社(FDIC)をはじめとする政府機関などによる銀行債務の保証措置を打ち出す。
保証は、例えば英国ではBなど公的資金を投入されていない銀行の債務にも及んだ。
金融機関は政府保証付きで資金調達を加速させ、6月末時点でFDICが保証する銀行債務は3400億ドルにのぼった。
こうした政府の下支えで、R破綻以降麻痺していた金融市場がようやく機能を取り戻した。
しかし、それは政府保証という生命維持装置をつけたままでの機能回復でしかない。
公的資金を投入した各国政府は、金融機関への経営関与を強めた。
フランスは公的資金投入行に国内融資の増額を求めた。
フランスのように政府が露骨に国内優先を要求する例は少ないが、各国とも議会などで中小企業融資を増やさせるべきだといった議論が盛んになった。
日本が大手金融機関に公的資金を投入した際も、中小企業向け融資の増加目標を織り込んだ経営健全化計画を提出させたが、それとほぼ同じ傾向が欧米で見られた。
公的資金は国民の税金から出す。
それを出すのは納税者のためで、投機や海外の国や企業を助けるためではない。
公的資金の投入に伴う国内重視要求は当然の帰結で、その結果、金融機関が母国重視の内向き志向を強める。
1990年代に急速に進展した経済のグローバリゼーシヨンは金融機関の国際化に支えられていたが、金融機関が初めてその方向を転換した。
債務危機再燃の恐れ 銀行救済に国が押し潰される金融危機は、巨大化した銀行を救済する国の危機にもつながった。
2008年9月末、S&Pはアイスランドの外貨建て国債の格付けをAからAマイナスに引き下げた。
同国は銀行システムを公的管理するとしたが、銀行全体の資産規模はGDPの叩倍を超えていた。
金融の規模が拡大して、国が管理できる範囲を超えていた。
国有化されたG銀行が発行する円建て外債(サムライ債)は、利払いが実施されず、債務不履行となった。
金融支援で国が揺らぎかねないのは、アイスランドにとどまらなかった。
米同時テロ以降、中東のオイルマネーが米国による預金封鎖を恐れて欧州に流れ込んだこともあって、欧州の銀行が国際市場で融資を拡大した。
7年の国際市場での資産の伸びは、ドイツの銀行が115%、フランスが248%、英国が315%、オランダが197%、スイスが141%などとなった。
かつて国際金融市場での融資シェアのトップにいた日本の銀行は、英独仏などに抜かれ、6位に転落している。
各国の銀行資産は膨れ上がった。
例えば、UBSの資産はスイスのGDPの4・8倍、フォルテイスはベルギーの2・5倍、RBSは英国の1・2倍、INGはオランダの2・9倍、BNPパリパはフランスの1倍などとなった。
国全体で見ればスイスでは銀行資産の合計がGDPの9倍、英国では4倍、フランス、ドイツでは3倍にもなった。
金融支援に動いた各国の財政規模は膨れ上がる。
4月半ばまでの政府による不良資産の買い入れ額は、英国でGDPの8%、ノルウェーで8%に達した。
預金への政府保証はアイルランドがGDPの257%に達したほか、英国が2%、スウェーデンが3%となった。
欧州連合はユーロ加盟の条件として、財政赤字をGDPの3%以内に抑えることを決めていた。
しかし金融支援の増大と、危機に伴う景気対策で財政赤字は拡大し、赤字額はドイツでGDPの5%を突破するなど、大半の国がマーストリヒト条約の財政赤字基準を守れなくなった。
S&Pがギリシャとポルトガルの国債を格下げした。
金融機関の危機が国の危機につながり、アイスランド化の拡大が懸念されるようになった。
深刻なのは英国とスイスだ。
スペインなどは危機に陥ってもユーロに加盟しており、EUやECBの支援が期待できる。
実際ECBは、銀行から不良資産を担保に取ったり買い取ったりして、銀行支援に動いている。
これに対して英国はEUに加盟しているが、ユーロは導入していない。
シティに取引を集めやすいと考え、ユーロ導入を拒んできた。
そのいきさつを考えると、ユーロの中央銀行であるECBは英国を支援しにくい。
危機に陥った金融機関は英国が独力で支援する必要があり、財政負担は重くなる。
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